生きものアルバム

散歩などで出会った生きものたちについて、備忘録を兼ねてアルバムを作っていきます。更新は不定期て、ちょっとずつです。

コガモ(カモ目カモ科マガモ属)

生殖羽の♂は明るい赤茶色の頭、目の辺りに太い濃緑のライン、身体は細かい波状の紋があって灰色に見え、お尻のクリーム色も目立つ。この三角斑を求愛ディスプレイの時に♀に見せつけるのだそうだ*1。綺麗だけどそれ以上にユーモラスで楽しい感じの配色である。
(2019年2月)

♀は黒褐色の地味な配色だが、表情には魅力がある。クチバシ基部側面は、秋には黄色みあり→冬にはほぼ黒→春には鮮明な黄橙になるという*2。これは1月中旬なので真黒に見える。
(2025年1月 さいたま市

 

10月初め。飛来直後なので♂♀の判別が難しいエクリプス状態
(2020年10月 さいたま市

換羽途中の♂は、傍目には痛々しく見える(実際には痒みぐらいだろうとは思うけど…)
(2023年11月 千代田区

 

カルガモとのツーショット。半分くらいしかないように見える。全長が2/3くらいだから、体積としてはそんなものなのだろう。なるほど「小」ガモである。
(2020年11月 さいたま市

♂1、♀4のハーレム。もしかすると「か、勘違いしないでよね!たまたま食堂で席が一緒になっただけなんだからね!」だったらすみません
(2022年1月 さいたま市

川の中州で休憩。もう3月なのだがカップル毎じゃなく、概ね男女で別れて陣取っている
(2022年3月 さいたま市

採餌中のレディースグループ。他のカモたちに比べ、心なしか男女別行動が多い感じがする
(2024年1月 北本市

女子が出る→男子が続く。あっソッポ向いてる奴が
(2024年12月 さいたま市

【MEMO】
全長38cmと、日本で身近に見られる中では最小のカモ*3。本州の中部以北の一部、北海道で繁殖する以外は、冬鳥として飛来する*4。埼玉だと9月に飛来してきて4月半ばを過ぎてもまだ残っていたりする長っ尻…いや長期滞在型。

滞在期間中は河川や調節池、自然公園の池などでよく見かける(たぶんカルガモの次にどこにでもいるカモである)。草や海藻を食べる植物食で*5陸にもよく上がるが、カルガモのように人間のいる岸辺に平気で近づいてきたり、上陸して見物人の間を縫って歩き回ったりはせず、池や沼の奥の方に引っ込んでいることが多い。警戒心の差だろうか?

コガモを見ていて気になるのは、カルガモマガモのように♂♀のペアでゆるりと流してる光景も勿論見るけど、♂だけ♀だけの少人数グループや、♂1羽に♀数羽のハーレムぽいグループをしばしば見かけること。数羽ずつの雌雄混在グループも、なーんか男女差の意識がある感じがしてしまう(ヒドリガモキンクロハジロの雌雄混在グループではあまり感じない)。単なる私の思い込みかなあ…ハーレムに関しては、個人ブログなどでは見かけたという報告を散見したけど、繁殖形態は一夫一婦とされているらしく一夫多妻もあると解説しているサイトや参考書は探した範囲では見つけられなかった。引き続き調べていきたいな。せっかく長居してくれるんだから、春になってからも良く観察したら、何かわかることもあるだろうか。

*1:石田光史、『ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑』、ナツメ社、2015年、P48

*2:氏原巨雄・氏原道昭、『決定版日本のカモ識別図鑑』、誠文堂新光社、2018年V3.0、P134

*3:石田光史、『ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑』、ナツメ社、2015年、P48

*4:同上

*5:同上